冬の本領(2月10日)

雪が残る冬の道を流しながら窓を覗いてみてみると、その明るさに目に映る風景の木目の細やかさに驚く。たしかに雪の白が草が干からびた地面や山の斜面のあちらこちらにあるからとも言えるが、雪がまったくない湖面や建物の表面までも、これまでと違った表情を見せてくる。風景は光がなければ飛び込んでこない。もっというと光によってわれわれは視覚を使って事物を認識する。景色の美しさに心を動かされるとき、私たちはそのものについて言葉を繰ることはあっても、それを繋ぎ止めている光線については思いつきもしない。白は光を反射させる。色というものがどう認識されていて、ほかの人は果たして同じ色を見ているのだろうか、人によって顔や形が違うように、色というものも同じ言葉を使えどそれぞれ思い浮かべているものは違うのではないかと考えることもあるけど、それは誰にもわからない。白は白と決まっている。レフ版は白だしスクリーンも白だ。ではなぜ空は青いのか。雪が残る風景が美しいのは、その雪そのものによるのではない。雪がある空間がその光を増幅して調和させあって生まれる。一面の雪景色は劣る。真っ白なスクリーンやレフ板を美しいと思わないように。冬の本領は雪が残る場所にある。

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