本業

毎日朝の8時半には家を出る。雨の日も風の日も頭が痛くて壊れそうなときも朝のだいたい日が昇り切ってから数時間の少し空気が薄くなるような時間に扉を開けている。いつもコンビニのビニール袋にウイスキーの小瓶を入れてあるのでそれを持って近くの駅に向かう。一番小さくて一番安いものを買うのだが特に気にしたこともないのでどんな味なのか名前なのかもよくわからないままクシャクシャになったビニール袋の一番下の方に留まっている。電車に乗り込むといつもだいたい同じ人が同じ場所に座っている。そうでもしないとこんなに不都合で辻褄の合わない事ばかり起きるようなことにならないじゃないか。首をみんな綺麗に完璧に同じ角度で下に曲げている。片手をあげている人もいるし前に何かを抱えている人もいる。たくさんいる。とにかくたくさんいる。何か理由があって集まっているとしか思えないようなくらいいっぱいいる。アリの大群か、蜂の巣の中か、でもアリの大群もアリにとってはアリ1匹分くらいは間を空けているからこんなに体を近づけているのはやっぱり何か理由がないとおかしいと疑っている。身体を寄せ合ってせっかく密着しあっているのに何か嫌そうな不機嫌そうな顔をしている。どうせならお互いがお互いの痒いところを掻いたり気持ちのいいところを弄りあったりしてもいいのにそうはならない。

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