人類はエネルギー生産の頂点に上り詰めた。山頂からの見晴らしはよいが、危険も多い。そう捉えれば、安全な場所へ下っていくのは賢明で魅力的である。登頂には英雄的な努力や幾多の犠牲を必要としたが、一歩一歩上がっていくたびに、わくわくする新しい視界や可能性が開けた。いくつか偽の頂点はあったが、目の前に広がる光景を前にすれば、現在、最高峰にたどり着いたことは間違いない。霧の向こうにまだ高い頂きがあるという人もいるが、天候は悪化し始めた。
山頂から見渡せば、私たちは驚きと荘厳さを再発見し、世界がどうつながっているのか理解できる。だが、もう戯れる時間は残されていない。日がまだ高く、天気がよいうちに、眺望を利用して、下る道筋を探すべきだ。下りは上りよりも危険が大きい。ところどころ平らな場所を見つけてテントを張り、身体を休めたり、嵐をやり過ごしたりしなければならないだろう。
山で過ごした時間があまりに長かったので、人間はずっと向こうの谷間に暮らしていたころのことをほとんど忘れてしまった。わけのわからない力によって谷間の家はしだいに破壊されてしまい、人間はそこをあとにした。しかし、再びそこに新しい家を建てるべく、人間は一歩ずつ安全な谷間へ向かっていく。(『パーマカルチャー(上)』,p45)
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