夏が急に姿を消したみたいな気候になると、なんの前触れもなく自ら世を去る感覚がわかるような気がする。別に理由はないのだ。ふと用を足しに席に立つように、小腹を満たすなにかを買いに出かけるように、そっと帰らぬ旅に出てしまう。遠くの方で花火の音が聞こえる。国道の向こうのほうにかすかに小さく見える火花を家の前から眺めている家族がいる。祭りのあとにまだ残された紅白の提灯が道の左右に整列している。とにかく家に帰らないと。そのあとのことはなにも考えられない。8月も中旬なのにこんなに涼しいなんて。黄泉の国から昔のみんなが帰ってくる。ひさしぶりじゃないか懐かしい。あのころはあんなにどうして。楽しかった。そっちはどうだいこっちはさ。とにかくなんだか変わっちまった。連れてってくれよそっちにも。どうせもうすぐ行くとこなんだ。連れてってくれよ今すぐに

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